| ハーマンミラーは約40年も前から、自然環境と共生していく方法を探し続けています。その取り組みは、建造物、製品デザインから事業経営にまでおよび、企業生活の根幹を成しています。
環境対策は全社至るところのグループで自発的に提案され、その提案は上席のリーダー達に支持され、そして長年の伝統である社員参加によって改善され続けてきました。さらに、国中の名だたる環境専門家たちからも学び得たことは本当に幸運でした。
ただ発言し、自らの立場を人々に知らせるだけでも、環境に関わりを持つということの一端です。ここでは、環境保持のために私たちがこれまでに行ってきたこと、これから行おうとしていること、そしてどういう信念を持っているかをご紹介します。企業は個々人以上に、バックミンスター・フラーの次の警告を銘記しなければなりません。「宇宙船地球号には乗客は誰もいない。乗務員だけなのである」

もしも多くの企業が環境と調和することを意識できたとしても、
結果を出すことは、なぜそんなに難しいのでしょうか?
それは人生の多くの重要問題と同じように、環境と賢く共生することは複雑な問題だからです。
ハーマンミラーは環境問題における良き市民となるための最善策を見いだそうと、些細なことから大きなことまで40年来努力を重ねてきました。私たちは何年もの間、リサイクル、廃棄物削減、有害物質の放出低下に努め、2年に1回の環境会議を開催してきました。けれど、まだ十分とは言えません。
5年前、私たちは自らが自然環境と共生できる企業となることを公約しましたが、これはハーマンミラーの未来を、ビジネスと環境の双方におけるスチュワード(管理人)としての方向に導くものです。それでも、具体的に何をなすべきかを決めるのは簡単ではありません。ある時期に私たちは、洗って再利用できるコーヒーマグを全社員に支給しました。紙やポリスチレン製のカップをゴミ処理場に送り出さないようにするためです。ところが驚いたことに、このエレガントなデザインのマグを洗うということが、水や電力や洗剤を使うという面から、ポリスチレンのリサイクルに努めるよりもずっと環境に悪いことがわかったのです。
ハーマンミラーは多くの環境専門家たち、そして私たちの環境とパートナーになりました。1984年には建築家ビル・マクドノウと共に「ニューヨーク エコロジカル
オフィス展」を開催。その関係は1995年、ウエストミシガンの表彰を受けたハーマンミラー社のグリーンハウスビルの設計へと再びつながっていきました。私たちはまた、熱帯雨林基金、LEED議定書を策定した米国グリーンビルディング協議会の創設にも協力しました。
企業はさまざまな理由から環境対策をスタートさせますが、ハーマンミラーの対策は社内で自発的に生まれてきたものです。多くの部署の人間が、自分たちはもっとうまく取り組めること、環境を守りそこで生活するには日常的な配慮が当然であること、利益を生み出すには、思慮深い環境への取り組みが必要であること等を知っていたのです。
企業が自然環境と共生しなければならない唯一の理由は、それが正しいことだからです。皆さんご存じですよね。私たちもです。

エネルギーセンターでは、1000ポンドのゴミが100〜150ポンドの灰に圧縮されます。
現在、私たちはスクラップを全く出さない方法を研究し、ミシガン州ジーランドの100万平方フィートの本社工場では、使用する電力の10%、蒸気の100%を自分たちでつくり出しています。近隣の住民や他の家具メーカーまでもが、木くずの一部を燃やしてもらうよう私たちに代金を支払い、私たちは喜んでその依頼を受け入れています。
10年間の努力を経て、ハーマンミラーはおがくずを鶏糞と混ぜ、堆肥にし、質の高い表土および土壌栄養剤として有機的組織に還元する認可をミシガン環境品質局から獲得しました。マーケティングプランはまだ終了していませんが、この毎年の取り組みにより1600トンのおがくずのゴミ処理場行きと、オタワ郡の糞尿のかなりの部分が湖や小川や地下水を汚染するのを防ぐことができるでしょう。

社員参加から生まれる、草の根的な環境保護活動
1981年、ハーマンミラーがその社員グループオーナーの要求に応じてエネルギーセンターを建設した際、私たちが望んだのは電気料金の節約と大量の廃材のゴミ処理場送りをやめることだけでした。
1989年になると別の社員グループが、ハーマンミラーにおける環境関連の仕事の全体的な調整が必要であると決議しました。このグループは環境品質活動チームを組織し、重役達に支持するよう働きかけ、重役陣はこれを受け入れました。
そして現在、全社の社員が環境への配慮を深めるための新たな道を探し求め、そして実践しています。これは計画ではありません。会社での生活の一部なのです。

1989年、ハーマンミラーのいくつかの社員グループが、廃棄物削減、有害物質の排出防止、安全な素材探しなどの仕事は、すでに事実上全社的な環境保護活動となっていることに気付きました。そこで彼らは環境品質活動チームを立ち上げ、経営陣に提案し、お客様と社員の双方を教育することをその使命に盛り込みました。環境品質活動チーム『EQAT』は、現在も9つのサブグループで300人余りがその草の根的活動を続けています。
環境について語ることと、環境のために何かすることは別のことです。何かをするということは、人々に大なり小なり、そして時に、あるいは常に活動することを要求するものです。ハーマンミラーの環境への取り組みは、その社員たちの行動から生まれたもの。彼らが変化を起こしたのです。
20世紀の最も永続性のある家具のアイコンの一つであるイームズのラウンジチェア&オットマンは、その革新的なカーブのかたちをローズウッド突板で出すようにデザインされました。しかしローズウッドが絶滅危機品種となり、その需要が熱帯雨林を脅かすようになったとき、ある社員チームが、ローズウッドを持続可能な資源から取れるウオールナットとチェリーで代替させるという説得力のある事例を作り出しました。チャールズとレイのイームズ夫妻も承認してくれるものと思っています。

建物は評判のようなもので、
いったん建ててしまうと何年間も存続します。
ですからどんな建物を建てるかについては、慎重に考慮したほうがいいのです。当社の全建造物は、米国グリーンビルディング協議会のガイドラインおよびLEED議定書に従い、可能な限り軽く大地に置かれています。現在ではリースの建物ですらこの方向で設計されています。
ハーマンミラーが特に慎重に考慮したある建物、それはグリーンハウスです。このビルの平方フィートあたりの冷暖房費は、ハーマンミラーが使用しているどのビルの冷暖房費よりも低くなっています。照明のレベルと空気の質は絶えずモニターされ、時間や季節の移り変わりに応じて調節されています。敷地はその地域のエコロジーのモデルとなっています。
建物を建てる際に最も重要なことは、企業が発展しながら環境を守ることができる状態をつくること。結果的に、それは人々の生活にも貢献することでしょう。グリーンハウスを見てください。時にはすべてを手に入れることができるのです。

ミツバチとの助け合い
2000年春、グリーンハウスのスタッフたちは2つの問題に遭遇しました。1つは、自然を生かして造園された敷地の野生の草花が絶えつつあること。2つ目は、スズメバチがビルに侵入してくることでした。「殺虫剤不使用」という方針のもとで、一体どうしたらよいのでしょうか? 60万匹のミツバチの輸入、これが回答です。ミツバチは1ヶ月間でスズメバチを駆逐し、野生の花に授粉し、おまけにグリーンハウスにおいしい蜂蜜を提供してくれたのです。その一部はビン詰めにし、記念品として差し上げています。
1993年、ハーマンミラーは、建築業界が直面している環境問題に関する討議と活動を行う場である米国グリーンビルディング協議会の創設会員になりました。協議会はユナイテッドテクノロジー、オーデュボン協会、バンクオブアメリカ、天然資源防衛協議会など、1200もの多種多様な国際的な組織を包含するまでに成長しました。
ハーマンミラーのビジネスパートナーの多くは、私たちの環境対策に喜んで協力してくれています。私たちが借りているビルのオーナーであるグレンジャー・グループは、LEED評価の「シルバー」を目標としてマーケットプレースビルを建てました。この目標が達成できた場合、私たちは1平方フィートあたり25ドルの割り増し家賃を支払うことにしています。

1992年から2001年の間、ハーマンミラーはEPAのグリーンライト計画への参加により、毎年20万ドルのエネルギー費用を消費せずに済みました。これは37%の投下資本利益率になります。

1脚のチェアに「100%リサイクル可能」という
ラベルを貼って出荷するだけでは不十分なのです。
ハーマンミラーの革新的な製品の数々はデザインから出発します。そこで私たちはデザイナーに「環境のためのデザインを」と依頼します。そこにはどんな意味が含まれているのでしょうか?
ハーマンミラーのすべての製品は素材の化学的性質、リサイクル可能性、そして解体の容易性について綿密に吟味されています。製品のための新しいデザインもすべて、同様の見地から精査されます。
どんな素材なら無害なのか?リサイクルできるものは何か?再使用できるのは?どんな製造工程なら無害なのか?どんな出荷方法や梱包ならいちばん環境への影響が少ないのか?どうやってスクラップや梱包材を少なくするか?サプライヤーや素材供給元は、最大限環境を意識した業務慣行にどう関与できるか? そう、簡単なことはひとつもないのです。
新製品の環境への影響の少なさを確実にするための一つの方法は、その製品の素材の細部に至るまでが最大限に機能することです。ハーマンミラーのCaperチェアとResolveシステムにおいては、使用する素材量を減らし更に構造的な強度をあげることがデザイン上の目標とされました。そして結果、Caperチェアのリサイクル率は100%になったのです。
スクラップになった張地の利用方法を見つけることは、ハーマンミラーの初期の環境対策の一つでした。私たちはそれを今も昔も自動車の絶縁材として送り出しています。しかし私たちは、まずはスクラップを減らす方が賢明だということに気付くようになりました。ハーマンミラーは現在、何回も使用できるスクラップファブリックでラッピングを行い、それ以外の張地はコンピューター操作のレーザーで裁断してスクラップの削減に努めています。
ハーマンミラーはお客様用および供給元からの梱包には格別な配慮を払っています。毛布ラッピングや、伸縮性のあるプラスチックでのラッピングにより、廃棄物は驚異的に削減されました。1995年以来、私たちは梱包を50%削減しました。
サプライヤーから来る再利用可能な梱包材も廃棄物を削減しました。私たちはハーマンミラーおよびサプライヤーのパーツ出荷方法をチェックするだけでなく、梱包材自体が何で作られているかもチェックします。それ自体がほとんどリサイクル可能な素材でできているAeronチェアの場合、90%再利用可能な梱包をハーマンミラーとサプライヤーとの間で達成するに至っています。

成果が測れなかったら、
何かを成し遂げたと言えるでしょうか?
それは場合によるかもしれませんが、どんな目標を立て、どう測るのかを考える必要があります。ハーマンミラーはこれまでも現在も、ゴミ処理場に送りだした量を測っています。エネルギー消費の削減量を測っています。これらは大切なことですが、今日これだけでは十分ではありません。
私たちはいま、売り上げ1ドルあたりの廃棄物をどれだけ削減できるか、個々の製品の素材をリサイクルに回さずどれだけ再使用できるか、エコロジー効率の動きがどうなっているか、という問題に取り組んでいます。
これまで、ハーマンミラーは基本を見据えることの大切さを学んできました。これからも活動の成果を測り、改善のための目標を設定し続けます。
固形廃棄物とは、リサイクルしたり、ゴミ処理場へ運んだり、ハーマンミラーのエネルギーセンターで燃料として利用されたりした素材などです。
ハーマンミラーはリサイクリング活動を強化しているので、ゴミ処理場に送り出す廃棄物の量は大幅に削減されてきました。
EPAのグリーンライト計画およびそのエネルギースタービルディング計画への参加により、ハーマンミラーのエネルギー効率は改善され、投下資本利益率も向上し、現在は37%になっています。
有害廃棄物のほとんどは、廃棄塗料によって汚染された洗浄剤です。ハーマンミラーではこの廃棄物の削減に、より効率的になった製造工程が大きな役割を果たしてきました。
大気への放出物とは、塗装と仕上げの段階で放出される揮発性有機化合物(VOCs)です。粉体および水性をベースとするハーマンミラーの技術は、このVOCの放出を著しく削減してきました。
過去10年間に、ハーマンミラーの塗装ラインの6つを粉体塗装工程に転換することにより、1ラインあたり年間60?100トンもの大気排出量を除くことができました。ハーマンミラーはもう1ラインの転換を計画中で、そのプラントの転換は2002年中に行われる予定です。

ハーマンミラーは確かにいろいろやってきました。
でも、まだまだやることがあります。
2002年、ビジネス倫理誌は、「環境への奉仕」においてハーマンミラーをトップにランクし、「優秀企業市民100社」のトップ10に選びました。
2002年、フォーチュン誌はハーマンミラーを「アメリカの最も賞賛された」家具会社として挙げました。16年のランキングの歴史の中で15回目になります。
2002年および2000年、カリフォルニア州環境保護局(EPA)はその「廃棄物削減賞プログラム(WRAP)」でハーマンミラーを認証しました。
2001年、2000年、1999年、EPAはハーマンミラーの総合的廃棄物削減活動を認め、「大企業パートナー年間優秀賞」を授与しました。
2001年、2000年、1999年、1998年、1995年、EPAはハーマンミラーの総合的な廃棄物達成を「WA$TE WI$E賞プログラムキャンペーン」で認証し、1998年度には「総合チャンピオン」に指名しました。
2000年および1999年、フォーチュン誌はハーマンミラーを「アメリカの最も賞賛された企業」の一つに選び、革新性と社会的責任においては全体の第3位にランクしました。
1998年、フォーチュン誌はハーマンミラーを、その社会貢献ゆえに「アメリカの最も賞賛された企業」に挙げました。
1998年、連邦総務庁(GSA)はハーマンミラーのデザインと事業慣行に対して「エバーグリーン賞」を授与しました。
1997年、ビジネスエシックス誌は、ハーマンミラーの環境問題における主導性に対して「企業の社会的責任及び倫理優秀賞」を授与しました。
1997年、「Renew America」および「環境保持可能性のための全国賞協議会」は、ハーマンミラーのグリーンハウスに対して環境保護達成証を授与し、その「環境上の成功事例集」に収録しました。
1995年、「全国オフィス用紙リサイクルプロジェクト」はハーマンミラーに「環境責任における全国的リーダーシップ賞」を授与しました。
1994年、「全米野生生活連盟」はハーマンミラーの地球への奉仕管理に対して、「環境保護達成賞」を授与しました。
1992年、ミシガン州議会の「共和党固形廃棄物管理特別委員会」は、ハーマンミラーに「年間最優秀リサイクル賞」を授与しました。
1991年、ホワイトハウスは「環境管理に対する大統領感状」をハーマンミラーに授与しました。

「地球号という宇宙船には乗客は誰もいない。乗組員だけである」
バックミンスター・フラー

資本主義から持続可能な資本主義へ
私たちは、会社と自然環境がともに生き残れる方向に導く道を見いだすため、努力し続けなければなりません。ビジネスマンであり環境論者でもあるポール・ホーケンは、「公害や廃棄物が存在する社会は非経済的であり、経費がかさむ」と言っています。環境か資本主義のどちらかが未来を持つとしたら、それは両方とも未来を持たなければならないのです。
ハーマンミラーの環境への関心は、企業というものは、人々と同様、自らを管理人(スチュワード)と考えなければならないと確信していた創立者、D. J. デプリーの強固な宗教的信念に発しています。
私たちを取り巻く環境への責任感は、40年以上にわたる計画の中で、主導性において、委員会で、そしてチームで形づくられてきました。公平に、賢く環境と共生しようという私たちの決意は、いま、新しい分野に私たちを導こうとしています。それは持続可能な資本主義、すなわち未来の世代のために、自然環境が供給してくれるよりもゆっくりとした速度で素材を利用する、ということです。
ハーマンミラーの伝統的遺産のひとつは、多くの製品に使われている美しい突板です。この突板の仕上げ工程には従来、大量のVOCを放出する溶媒基盤の着色剤が使われてきました。1990年代はじめ、当社はこれを全面的に水性着色料に切り替えましたが、これはVOC放出量が90%も少ないだけでなく、より色が安定するという利点を与えてくれました。
1990年にハーマンミラーが熱帯雨林基金設立支持企業3社の一つになった時の目標は、熱帯雨林の持続可能な管理運営でした。グループは熱帯雨林に継続的な経済的価値を与えることにより、それを保存することを追求しました。現在私たちは、環境は経済のシステムとかけ離れたものではなく、その一部にならなければならない、と信じています。

私たちはまず最初に、ハーマンミラーの環境への取り組みが、社員ひとり一人の心の中に息づくよう努力しなければなりません。次に、企業と環境の共生に配慮した行いが、単に良いことであるというだけでなく、ビジネスにとっても有益だということを他の人々にも理解してもらうよう努めなければなりません。最後に、個人としてまた社会の一員として、他の組織団体や地域社会にもこの貴重な贈り物、私たちが地球と呼ぶこの生物圏を守ることの大切さを、理解してもらうよう努めなければなりません。
ハーマンミラー社 会長及び最高経営責任者 マイク・ヴォルケーマ
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